ミリオンダラー・ベイビー
←週刊文春、今週号の映画批評欄が大変なことになっている。クリント・イーストウッド監督・主演の『ミリオンダラー・ベイビー』に5人の評者全員が五つ星の最高点をつけている。長年この雑誌を愛読しているが、同じ状況を以前に見た記憶はない。
女の子がボクシングジムに通い始める。ジムのオーナーは女性を指導する気はない。彼女は仕方なく一人で練習に打ち込む。気の毒がったオーナーが指導をOKする。才能花開いて彼女は試合に勝ち続ける。と、あらすじだけ読むと、どうしておすぎさんが
「今生きている総ての人が見るべき」
とまで言うのか、皆目見当がつかない。もちろん何かのヒネリはあるはずなわけで、こりゃ見なきゃ、いつか。
しかしクリント・イーストウッド! 『ダーティー・ハリー』とかでマグナム打ちまくっていたあの彼。およそ映画芸術などというコンセプトからは最も縁遠い所にいると誰もが見ていた彼が、アカデミー主要4部門を受賞するような、あれだけ世の人を感心・感動させるような作品を撮るようになったのか。だとしたら、偉いじゃないか。
健やかに老いたいものであるが、もし可能なら、創造的にも老いたい。だがどうも世の中、見ていると、高齢にして健やかさと創造性とを両立させることは至難の技であるように思われる。
ルソーなんてその格好の例だろう。創造的だが健やかではない。一方、社会的または肉体的、あるいはその両方において非常に健やかな方が、精神的には妙に非創造的、没個性的であることもよく見る。だからクリント・イーストウッドみたいの、いいじゃないっすか。
さて、ここまで持ち上げちゃってるんだから、『ミリオンダラー・ベイビー』、本当に大丈夫なんだろうね。実は彼女が白血病で――という泣きのオチ、とかまさか、ない、よね? 記憶喪失もやめてね。
夕方、昼間部と夜間部の間に夕食=鳥のタルタルソース丼、サラダ。少し昼寝。
午後10時過ぎから50分ほど、島津山から品川プリンス・ホテルの裏まで辺りを散歩。夜の散歩って久しぶりだが、静かでよい。またこの辺りは面白いお宅も多く、楽しい。マウンテン・デューを歩き飲み。夜食にパイナップルの角切り。
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