ギックリ腰の動かし方
ギックリ腰日記。初期には安静、固定が大切だが、それだけでは腰が固まるばかり。だから動かさなくてはならない、という今日の話で最終回としよう。
それにはドルフィン運動がよい。腰椎(腰骨)の伸展(反らす)、屈曲(丸める)を交互に繰り返すのだ。さあ皆さんご一緒に! 骨盤を後傾(後ろに傾ける)すると腰は屈曲、前傾(前に立てかけるように)すると腰は伸展する。
腰が固まり、痛みが増幅しやすいのは、なんといってもギクッとやってしまった日の夜間だ。寝て、体が止まっている間に、昨日述べたような仕組みで腰痛は進行し、朝には起き上がれなくなっている――というのが非常に多い。だからギックリ腰もボクぐらいのベテランになると、夜対策に怠りがない。
何をするのか? まず熟睡してしまわないよう、部屋の明かりを少しだけ点けておく。で、1時間ごとぐらいに起きては、あおむけのまま、あるいは横向きになり、イルカと化すのだ。
金曜の夜はこれをやりながら『クレヨンしんちゃん』のオープニング・テーマ「おしりフリフリ魅力的~、ふればみんなでシ、ア、ワ、セ」が頭の中をリフレインし、夜明け頃、総じて浅い眠りから醒める頃までにはほとんど、イルカじゃなくて、のはらしんのすけになってしまっていた。
ドルフィン体操を四つん這いの状態でやるのをキャット・エクササイズという。猫の伸びに似ているからだ。日中はこれを頻繁にやる。
が、ドルフィンを立位でやってはいけない。いうまでもなく立位では腰に上半身の重みがかかるから、顕微損傷が拡大してしまうリスクがある。できればまだ、急性期には、立つ時はウエストベルトをしていた方がよい。
と、このような具合で守り(臥位で安静、ウエストベルトで固定)と攻め(体操)とのバランスを取る。そしてそれと平行し、腕のいいカイロプラクターに治療してもらう。
何をしてもらうか? 基本は同じだ。固まろうとする筋肉をリリースして(ほぐして)もらうのだ。椎間板の傷が癒えてきたら、背骨も動かしてもらう。すると傷の治りが速くなる。
以上、いわゆるプロの技、でした。
何? カイロプラクティックって、腰痛ぐらいバキッと一発で治しちゃう不思議な技だと思っていた? そういうものではないんです。もっともっと地味で、当たり前の理屈に立脚していて、しかしそれだけにこそ信頼性の高いものですよ、カイロプラクティックとは。
――――
また朝から雨。明日は、曇るながらも、降りはしないという予報だが。
2年生の授業。ボクの脊損(脊椎損傷)の話はまだ続き、今日はムチウチ症まで。車で追突されて首を痛くする、あれだ。骨折も脱臼も無く、それでも患者さんが痛がるもの、と定義される。頚部の軟部組織の捻挫状態と考えられている。
| 固定リンク
