どうっすか部長、今晩、一杯? ①
午後3:30出勤。今日はセミナー。
学院主催のセミナーは在校生、卒業生問わず参加できる。参加料は1万円。しかもJACM(日本カイロプラクティック医学協会)会員は何とタダ。破格だと思うがなぁ、内容を考えると。
通常月に1回のペースであるが8月は、夏休みで教室が空いているので、2回。今日はその2回目。講師は山下利幸先生である。
山下先生は兵庫県は宝塚市内で開業していらっしゃる。技術的にも、経営的にも、ボクが駆け出しの頃より非常にお世話になってきた方である。そのご縁もあり、大川学院卒業生のM君が現在、宝塚治療院でスタッフとして働いている。将来的には同院を継ぐという含みである。
セミナー後、午後6時からは山下先生も交えての懇親会。ビールだけなのだが、久しぶりに飲んだせいか、妙に効く。
「30越えると駄目だよ」とかよく聞くが、ボクはそんなこと全然なかったねぇ。お酒も20代よりは30代の方がよっぽど飲めた。というより、その年代にはつき合いで飲む機会が多いわけだが、それに体が十分対応できた、というべきだろうが。
いずれにせよ、40を越えてがっくり落ちた。他のあらゆる臓器同様、肝臓も機能が落ちてきたということだ。以下に酔いのメカニズムを少々。
血中に入ったアルコールは、脳を外側から徐々に麻痺させてゆく。脳の最外層は新皮質で、理性の座である。だからまず理性がぼやける。
が、その下の層である古皮質はまだ元気。古皮質は情動の座であって、本能や感情を司る。だからこの段階で人は、泣いたり、怒ったり、エッチになったりするわけだ。
さて、そんな状態のままでは社会生活は送れない。飲んだアルコールは処理しなくてはならない。どのように?
肝臓のアルコール分解戦略は2段構えである。アルコールはまず、アルコール脱水素酵素によって、アセトアルデヒドと水素に分解される。このアセトアルデヒドは「悪酔い」の元であり、頭痛、めまい、吐き気などを引き起こす。
続いてアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって、酢酸と水素に分解される。両者は肝臓外(筋肉内など)で、最終的には炭酸ガスと水になり、呼気や尿として体外に排出される。だからアセトアルデヒド脱水素酵素は「酔い覚め」酵素である。日本人にはこれが少なかったり、無かったりする人が多く、そういう人が、いわゆる下戸である。
つまりアルコール脱水素酵素が多い人は「飲んでもなかなか酔わない」人、アセトアルデヒド脱水素酵素が多い人は「悪酔いしない人」「二日酔いにならない人」である。いずれの酵素も多ければ多いほど、「お酒に強い」人を作る。
そして、ある人がこれらの分解酵素を肝臓内に持つ量は、ほぼ完全に遺伝的に決まっている。しかも若いうちは多く、年をとれば必ず少なくなる。よって「肝臓を鍛える」ことは、基本的には、できない。
でも「酒に強くなる」ってよく言うじゃないですか。あれは? 次回へ。
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