修学旅行
いまにも降り出しそうな曇天下、午前10:30頃出勤。
見学者の方々、しかも若い、が多い日であった。まず高知県から修学旅行で東京にやってきた高校2年生の女の子たち5人。そして現2年生のNさんのお子さん、女の子1人に男の子2人。教室内が華やぐ。
2年生の授業はまるまる1回かけて頭痛について。たまに生涯一度も頭痛をやったことがないという人がいるが、これは珍しい。多くの人が何度かはやっているはずである。が、それがずっと続くわけでもなければ、後遺症が残るわけでもない。9割以上の頭痛は慢性頭痛と呼ばれ、生命に別状ないものだ。
慢性頭痛はさらに、主に2つに分けられる。片頭痛と緊張性頭痛である。
片頭痛は頭の片側のみがズキズキするもの。これに対して緊張性頭痛は左右差はなく、しかも拍動せずにボーッと痛いものである。前者は頭部の血管の異常な拡張によって、後者は頭部、頚部の筋肉の異常な緊張によって起きる。
何故血管が拡張してしまうか? 実はいったん血管が異常に収縮することが原因だ。
頭部の血管が収縮してしまうということは由々しき事態なわけで、放置すれば脳が死んでしまう可能性がある。だから体はそれに過剰に反応して、20~30分後には血管を逆に拡張し過ぎる。この際、この頭部の血管が周りの組織を圧迫するのが、あの片頭痛のズキズキする痛みの原因である。
では何がそもそも血管を収縮させるか? いろいろあるが、精神的ストレスが一番の原因である。
緊張性頭痛もストレスが原因である点は同じである。ストレスのせいで頚から上の筋肉が緊張する。そうなると筋肉がトリガーポイントという「しこり」を持ち、これが関連痛という痛みをあちこちに「飛ばす」。で、たまたま頭部に飛んだ関連痛が頭痛として認識されるという次第である。図は頚の前面にある胸鎖乳突筋という筋肉から、側頭部への関連痛のパターンである。
だから片頭痛も緊張性頭痛も、その大元は一つ。ズバリ、ストレスである。「頭いたいよ」って言うでしょ。
痛い頭を癒すべく、夕方、雨中、五反田図書館へ歩く。佐藤幹夫『自閉症裁判』、中央公論社『世界の名著25スピノザ・ライプニッツ』、ニーチェ『キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』、泉治典『世界の思想家3アウグスティヌス』を借りる。
今日で2年生の前期の授業は全て終了。夕食=麻婆豆腐など。
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